ウィズ、グーグル買収より株式公開を選択

サイバーセキュリティスタートアップのWizの買収計画が驚くべき転機を迎えました。当初、テクノロジーの巨人GoogleがWizを230億ドルで買収する予定でした。これはGoogle史上最大の買収となるはずでした。 しかし、月曜日の夜、Wizは社員に対し、寛大な提案にもかかわらず独立を維持し、代わりに株式公開を目指すことを決定したと通達しました。この情報はニューヨーク・タイムズが入手したメモに基づいています。 WizのCEOであるアサフ・ラッポポートは、このメモの中で、同社がIPO前に年商10億ドルを達成するという目標を引き続き追求していくと強調しています。「私たちは提供された提案に感謝しつつも、独自の道を進むことに決めました」とラッポポートは記しています。「このような素晴らしい提案を断るのは難しいですが、私たちの卓越したチームとともに、この決定には自信があります。」 Googleはコメントをすぐには得られず、Wizの代表者もコメントを控えました。CNBCとFortuneは月曜日に既にメモの内容について報じていました。 この取引が成功していれば、Googleのクラウドコンピューティング部門に大幅な後押しとなり、同社が長年のライバルであるMicrosoftとサイバーセキュリティ分野で競り合う助けとなるでしょう。ますます多くの企業がWizに依存してクラウドアプリケーションを保護しています。 これまでのGoogle最大の買収は、2012年に125億ドルでMotorola Mobilityを買収したことでしたが、この取引は後に損失をもたらす結果となりました。今回は規制上のハードルが特に高いものでした。 Googleは現在、米国規制当局からの厳しい監視下にあり、2つの独占禁止法事件で訴えられています。一つはGoogleの広く使われている検索エンジンに対するもので、もう一つは同社のデジタル広告技術の分割を目指すものです。検索エンジンに関する裁判の判決は今夏に予想されています。 バイデン大統領の下で、規制当局は企業の合併に対してより厳しく取り組んでいます。連邦取引委員会は、Microsoftのビデオゲーム会社Activisionの買収を阻止しようと試みましたが失敗し、Amazonは米国および欧州の規制当局からの反対を受けて、17億ドルのiRobotの買収を断念しました。 数十億ドル規模の買収に対する規制当局の審査は1年以上かかる可能性があり、急速に成長するWizにとっては貴重な時間を浪費することになるでしょう。同社は今年初めに、年間収益が3億5千万ドルを超え、2年前の1億ドルから大幅に増加したと発表しました。 ラッポポートはメモの中で、最近の注目が彼に独立したプラットフォームを作るという信念を強めたと述べています。「このニュースの後に得た市場評価は、セキュリティと開発チームの双方に愛されるプラットフォームを作るという私たちの目標をさらに強化します」と彼は書いています。